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コンサルタントコラム

2015年6月24日

◆ 上司がやるべき「ポジティブ他力本願」のススメ ◆

「う〜ん…」

関東で10店舗のイタリア料理店を営む、株式会社キジマ(仮名)。
その中の1店舗の運営を任されている木下店長(仮名)の唸り声が店内に
響きわたる。
お店のムードは店長の機嫌や雰囲気によって左右されるだけに、このマイナス
オーラは本当にいただけないものである。

一体、木下店長は何にそんなに悩んでいるのだろうか?
私はずばり聞いてみた。

「本部の方針と、お店の『やりたいこと』が違っているので、どちらを取れば
 良いのか…」

「部長から、来月の業績を上げるための具体的な施策を明後日までに『3案も
 出せ!』と、先ほど急に連絡が入りまして…」

「店内装飾の不備があったので、気づいた自分が変更したいのですが、なかな
 か時間が作れなくて…」

「期末に向けて、社員の一次考課表を作成しないといけないのと、そのための
 面談をしないといけないのですが、それもちょっと滞りつつあり…」

発言の端々から、木下店長が忙殺されている様子がうかがえた。

(方針の違いについては、他店の店長にも相談してみればいいのになぁ)
(業績を上げる施策は、副店長にも一緒に考えてもらえばいいのになぁ)
(店内装飾の改良は、主任さんでもできるはず!)
(考課は他の方に任せられないので、ここにしっかり時間を割いて欲しい)

最近の役職者は、分担できる仕事も一人で抱え込んでいることが多い。
私はそんな「仕事を任せられない上司」が増えていることをとても危惧してい
る。

「店長、私に仕事を任せてください!」

という部下からの有難い申し出を断った結果、成果が出ないのであれば、組織
の責任者として、とても大きな問題と言えるのではないだろうか。

上記は木下店長の事例だが、一般的に「仕事を任せる」ことには以下のような
メリットがある。

(上司)
・上司の負担が大きく軽減される
・上司にしかできない、重要な仕事に集中できる

(部下)
・新しい仕事を経験し、成長する機会を得る
・仕事の幅が広がり、士気が上がる

(店舗)
・属人的だった仕事が体系化される
・店全体に「教える文化」が育つ

もちろん、仕事を任せる上で、下記のようなことは御法度である。

・仕事を任せる本人が努力しようとしない
・説明もなしに、仕事を丸投げする
・仕事を任せる側が、任せた仕事に責任を持たない

これらの条件に注意した上で「仕事を任せる」ことができれば、一人の脳で考
えるより、いろんな知恵が集まる。そうすれば、思いもよらない相乗効果が発
揮されることもある。

ことわざに「三人寄れば文殊の知恵」というものがある。また、毛利元就の
「三本の矢」も有名な例え話である。

「他力本願」というと一般的には良くないイメージを持たれるが、きちんと
計画的に行えば、誰もがメリットを感じることができるようになる。

1+1が「3」以上。
1+1+1が「5」以上。

店長が孤軍奮闘するのではなく、仲間と力を合わせて「チームで勝ちゆくお店」
となる方が、近い将来、必ずやステキなお店になっていくと、私は思うのだ。

株式会社フェイス総合研究所 上席執行役員 四宮 敬仁