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コンサルタントコラム

2015年8月12日

◆ 経年優化 ◆


自動車やエアコンなどの電化製品が、月日を経ることで段々と劣化していく様を
「経年劣化」という。

それに反して寺社仏閣などに見られる建築物や革製品などが、時代を経るに
したがいその魅力を増す(いわゆる「味が出る」という状態)ことを
「経年優化」というのだそうだ。

建築関係に勤める友人から、このような言葉があることを最近教えてもらった。

今秋50歳を迎える我が身を振り返り、まったくもってその言葉に足りてはいな
い状況ではあるが、これからはこの「経年優化」となれるような生き方を積み
重ねていきたいと考えている。

同年代の友人との世間話の中で、生き生きと毎日を過ごしている友人もいれば、
「もう俺の人生、終わってるわ…」などと、悲しく愚痴をこぼす友人もいる。
平均寿命が延び続ける現状の中で、

「40(歳)、50(歳)はハナタレ」と表現されるように、人生はまだまだ先が
長いと思う。

周りに比べるまでもないが、自分の成長スピードに関しては当社のトップ、
熊澤の教えでもある『自己ベスト更新』の考えの下で、毎日それなりに意識を
しながら自己研鑽しているつもりだ。

話は変わるが、弊社が提供する研修の多くは受講者の「気づき」を促し、その
「気づき」を深めるプログラムで占められている。

その中でも経営幹部対象の所謂「ベテラン社員向けの研修」では、受講者がこ
れまでの自身の言動を振り返り、深く内省することにより得られる『原点回帰』
現象を起こすことが多々ある。

心にこびりついた錆や、長年の会社人生の中で澱のように溜まりに溜まった
固定概念など。

「決めつけ」や「諦め」と言ったものが一つひとつ丁寧に剥がされていき、
その人の持つピュアで素直な人格を取り戻していただくことができる。

先日、横浜に本社を置くH社の清水副店長(仮名・55歳)に弊社のパラゴン研
修を受講していただいた時のことである。

実は清水副店長は、1年前までは「店長」だった。
50代半ばの清水副店長は20代を中心とした若手スタッフの育成が苦手であり、
そのことで1年前に副店長に降格。

研修に参加するその胸中には降格を下した会社への不信が大きく、研修を進め
る上で頑なに他者のアドバイスを受け入れることができないでいた。

年齢的なこともあるだろう。プライドだって、あるだろう。
家庭的にも減給されたことで奥様に対しても恥ずかしいやら申し訳ないやら、
複雑な状況になってしまったであろうことで、頑固さに心を奪われてしまって
いることが容易に想像できた。

私も以前、降格人事を受けたり、理不尽な理由で転職を余儀なくされた過去が
ある。清水副店長の胸中を察するにあまりあった。

しかし、人は前を向いて生きていくべきである。過去を憂いて嘆いたり、他者
を妬んだりしたところで決して幸せにはなれない。

幸い、清水副店長は研修最終日には晴れやかな表情に変わってくれた。
その理由は後日、こちらのコラムで改めてご紹介したいと思う。

「研修で心をリセットする」。
そうしてまた、清々しい気持ちで職場へと戻っていただくのが私の責務である。

「経年優化」。

ダイバシティが叫ばれる時代の中、これも一つのキーワードとなるだろう。

株式会社フェイス総合研究所 上席執行役員 四宮 敬仁