トップページ >>取組事例・実績>> コンサルタントコラム

コンサルタントコラム

2015年8月1日発行『遊報』8月号掲載

◆ 『教科書に載っていない人の育て方』 ◆
「本気でやる」という覚悟が発揮するパワー
















東海地方に拠点を置くA社。そちらで経営幹部(次世代リーダー)を対象とした、
パラゴン研修をA社内で実施してきました。

この研修は360度サーベイを使い、上司・同僚・部下からの「他者評価」と
「自己評価」を点数化したサーベイシート(経営幹部リーダーとしての条件を
体系化したもの)に加えて「職場における対象者の仕事ぶりに対するコメント」
を集計したものを見ながら、その行動の背景になっている「根本原因(=パラ
ダイム)」を探っていきます。

対象者の一人、山下課長(仮名)は能力が高く、その「安定感」を評価されて
いました。しかし心配性・マイナス思考・チャレンジしない・部下を育てよう
としていない…と弱さの部分が前に出ていたのです。

その弱みの背景となるパラダイム(世界観・価値観)を深く掘り下げていくと
「失敗すると失うものが多い」、「怒られるのが嫌」、「失敗に繋がるような
ことには絶対にチャレンジしない」つまり「保身が一番!」、「小ずるい考え
方がある」ということが鮮明となりました。

「山下課長、それは管理職としてはとてもずるい考え方、姿勢ですよね」
研修中、私はそう指摘しました。
「これまでずっと逃げ腰で、ずるく立ち回ろうとしていた自分が恥ずかしい」
自問自答の末、山下課長は己の小ささに気づきます。

しかし、山下課長の素晴らしいところはここからでした。弱い自分。情けない
自分。ダメな自分を認めた上で同じく研修に参加している同僚に対して力強く
発言します。

「これではダメだと思っていました。今日から僕は変わります。失敗を恐れず、
 会社のため、部下のために本気でチャレンジしていきます!」
「この会社は課長層の僕たちの影響力が非常に大きい会社。この研修をキッカ
 ケに僕も率先して頑張るので、みんなも力を合わせて本気で会社を変えて
 行こう!」

山下課長の本気の目と、力強い言葉。それまでとは打って変わって、頼もしく
さえ感じられる風格を醸し出しています。その強い想いに、心を動かされた仲
間がいたことは言うまでもありません。

まったくもって精神論ではありますが、これまでの私自身の長い社会人生活の
中で間違いなく皆さんにお伝えしたい考え方として、この山下課長のように腹
を据えて本気になって「やり抜こう!」とする覚悟をもった人には、神がかり
的な力が備わるシーンを何度も目にして参りました。

時代や会社を大きく動かすものは、実は一人の方の覚悟が定まったというケー
スが多々あります。

様々な悩みから開放され、力強く生きていくためには、このような『開き直り
パワー』がすごく大事であることを、わかっていただきたいと思います。


株式会社フェイス総合研究所 上席執行役員 四宮 敬仁