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コンサルタントコラム

2015年9月9日

◆ なかまをつくる ◆


つい先日、管理職のリーダーシップ開発研修「パラゴン」に参加された方から、
新たな一歩を踏み出したという嬉しいメールをいただいた。

「パラゴン研修の『なかまをつくる』というパラダイムを実現するべく、今週
 から事務募集をスタートさせました!」

送り主はA社の経営企画室を一人で担う近江マネージャー(仮名)。
研修参加時、現在の状況を伺うとその業務範囲は幅広く、周囲からの多種多様
な依頼に応える「なんでも屋」の状態だった。

会社の総務全般を担いながら、一つひとつの仕事に高い基準を自らに課し、
常に安定した成果を残している。人間関係においても、周囲を気遣い職場内の
よき相談相手であり、周囲から頼られる存在である。

そんな周囲の声から自身の強み・弱みのもととなるパラダイム(価値観・仕事
観)を探る360度サーベイをもとに自己分析を行っていくと、ゼネラリストの
近江マネージャーにも課題が出てきた。

それは、「人に頼れない」というもの。

一人しかいない、という現状はあるにせよ、多くの仕事をこなしていく中で
近江マネージャーは「一人でやりきるためには」ということを追求していく。
その結果、自分のキャパを広げ続けるために効率性や生産性を上げること、
そこにこだわる方へと向いてしまっていたのだ。

一人でやりきろうとするその心は責任感の裏返しでもあり、現在の状況なら
良いことかもしれない。しかし会社を大きくしていく段階において、その考え
は「現状維持」である。議論を重ねる中で近江マネージャーは自身が守りに
入っていることに気づく。

今までは会社の未来に向けての課題を持っているにも関わらず、その解決の
アプローチはごく限られた(自分の仕事の質を上げることに集中)ものだった。

今後キャパ(やるべきこと、やれること、やりたいこと)を増やすためにも、
「なかまをつくる」こと。これが2時間近くかけて近江マネージャーが出した
答えである。

すがすがしく晴れやかな表情で研修を終えてから約1ヶ月。
一歩を踏み出したメールを拝見しながら、あの日の事を思い出した。


『リーダーシップの旅 見えないものを見る』(野田智義/金井壽宏著)に、
こんな一節がある。

「リーダーシップは、本を読んで修得するものでも、だれかから教わるもので
 もない。それは私たち一人一人が、自分の生き方の中に発見するものだ。
 リーダーシップはだれの前にも広がっている。何かを見たいという気持ちが
 あれば、可能性は無限に膨らむ。自らが選択し行動することで、人は結果と
 してリーダーと呼ばれるのだ」

新しいパラダイムに基づくはじめの一歩は勇気がいる。しかしその一歩は今ま
での延長の一歩とは価値が異なる。

一歩、そして次の一歩への進んでいく近江マネージャーの今後にむけて、さら
なるご活躍に期待したい。

株式会社フェイス総合研究所 取締役上席コンサルタント 針生 英貴