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コンサルタントコラム

2016年2月24日

◆ 「素直さ」という能力 ◆


先日のことである。
大変お世話になっている顧問先企業での幹部研修での一コマ。

出荷部門の責任者を任せられている吉川チーフ(仮名)は、その研修を締め括る際、このように述べられた。

「この研修を受けるまでの僕はアホでした。
自分勝手な考えで全ての物事を判断し、自分の価値観を周りに押し付けて来ました。
この研修を受けることで、今までの自分の言動を振り返ることが出来て、本当に良かった。
あのまま暴走を続けていたら、えらいことになっていたと思います。
職場に戻って、この気づきを与えてくれた仲間たちに感謝の気持ちを伝え、そして素直にお詫びを言いたいと思います。」

『行動を変えるためには、本人の気づきしかない。』

私たちは研修によって無理矢理、言動を変えさせようとは考えていない。
そんなことをしても、研修が茶番にしかならないからだ。

いくら研修の場で熱くなったり、盛り上がったり、感動したとしても、それにはほとんど意味がないと私は考える。
『職場に戻って実践してこそナンボ』というのが、とても重要であると思うのだ。

研修への派遣を決める責任者(弊社の場合は経営者が多いのだが)にとっても、同じ職場で働く仲間にとっても、ましてや人生の大事な時間を使っていただく受講者ご本人にとっても、

「感じた」
「気づいた」
「勉強になった」

に止まることなく、心から腹に落ちて、
「よしっ、実践するぞ!」
「行動変革への想いを継続させていくぞ!」
という状態になっていただくことが、最良の成果と言えるのではなかろうか。

吉川チーフは今回の研修受講者の中でも最年長で、ベテランの幹部社員。
仕事のスキルも高く、仕事ぶりは極めて正確で、責任感も非常に強い方である。
ご本人も「完璧主義です!」と、胸を張る。

反面、業務においては非常に頭の固いところがあり、頑固で融通の利かないところが周囲との軋轢を生んでいた。

自己分析の途中、
「自分が正で、他人が誤という考えで常に動いています。」
「この研修も、しょうもない研修だったら、途中で帰ろうと思っていました。」
と、かなり偏った思考をお持ちであったが、その心配は見事に杞憂に終わる。

賢者はあらゆる場面から多くの学びを得るし、愚者は同じ場面においても、何ら学ぶことが出来ない。

「四宮先生、この研修、最高ですねー!」

研修の修了式後、少年のような無邪気な表情で私の元に駆け寄り、明るく語りかけてくれた吉川チーフ。
2日前の濁った水が、まるで嘘のように澄み切った清流へと変わってくださった。

私も吉川チーフに負けないように、常に素直さを忘れず、良いものから多くを学べる人間になっていきたいと、強く感じた。

株式会社フェイス総合研究所 上席執行役員 四宮 敬仁