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コンサルタントコラム

2016年3月9日

◆ 自分を指さす ◆


我がフェイス総合研究所の看板研修である「Faith(フェイス)研修」。
ビジネスマン(社会人)にとって最も大事な影響力は、『信頼関係である』と教えている。

そして、その信頼関係を構築する上で重要となる三原則を、
1)相手を大切にする。
2)自分を指さす。
3)誠実である。
と説いている。

この3つの原則を実行・実践する中で、人は人から「信頼」を得ることが出来、「信頼」を得ているからこそ、周囲に影響力=リーダーシップを発揮できるのだ。

今回のメルマガでは、この中でも『自分を指さす』という項目をクローズアップする。

先日、A社の経営幹部を集めた合宿研修があり、その中で幹部一人ひとりの「現在の言動を振り返る」というプログラムでの出来事。
吉田課長(仮名)の言動に関する課題がクローズアップされた時であった。

「苦手なことをつい後回しにしてしまう」
「自分よりも、他の人がもっと頑張るべきだと思う」
「業績責任はそれなりに果たしているので、それ以上のことは二の次でいいんじゃないかと、正直に思っています」

吉田課長は自身に突き付けられた課題に対して、苦しそうに言い訳を繰り返す。

その姿は過去の私に酷似しており、苦しみや辛さ、情けなさまでも十分に理解することができた。
しかし、吉田課長が会社から抜擢された「これからのA社を変革するプロジェクト」の経営幹部メンバーである以上、その想いに共鳴することはできない。

経営幹部は経営者と共に、その会社を発展・成長させる責務がある。
そこで働く従業員とそのご家族の幸せや未来に対して、大いなる責任と影響が伴うのだ。

吉田課長の言い訳には「見栄」「プライド」という保身を臭わせるものが感じられた。
このまま『自分に矢印を向ける』ことなく、環境や他者のせいにする「他責思考」では、A社のみならず吉田課長の成長が止まってしまう。

高い目標(あるべき姿=To be)を明確に掲げると、そこに現状(=As is)とのギャップ(=課題)が生まれ、人はそのギャップに悩み、苦しくなったり、辛くなったりする。
このことを「認知的不協和」という。

この「認知的不協和」の状況は世の中の至る所で発生していて、多くの社会人がその苦しみに対処しているわけなのだが、その対処の仕方が大きく次の2つに分かれる。

一つは『自己正当化』すること。
例えば、「こんなに頑張っているのに目標達成しないのは、自分の努力不足ではなく、そもそも目標設定自体に問題があるのでは?」と考えること。

まさに「他責思考(=他人が悪い、悪いことは他人のせい)」というものである。
この考えで行動していると、その場その場は楽になるし、その人にとっては苦しまなくて済むことになるが、そこには何も起こらないし、その人の成長はそこで止まってしま う。

もう一つは、
「高い目標でもしっかりと達成している人もいる。目標達成できないのは、自身の創意工夫がまだ足りないからだ」と、考えること。

これを「自責思考」と言い、すなわち「自分に指さす」という考え方である。
この考えで行動している人は、常に苦しみ、悩み、のた打ち回るのだが、最終的には『自己成長』と『自己変革』という、人として大きな財産を手にすることができる。

どちらの人生が幸福になるかは、一目瞭然である。
他責の考えでは成長がなく、自責で考えることで自己成長が図られるというのは真理であろう。

合宿最終日、吉田課長はそのことに気づき、これからは「自分に矢印を向け」て「自分を指さす」行動に変えてくださることを誓ってくれた。
吉田課長にアドバイスを送った私は、吉田課長以上に「自分を指さして」生きていかなければならない、と深く思った。

株式会社フェイス総合研究所 上席執行役員 四宮 敬仁