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コンサルタントコラム

2016年4月6日

◆ 「研修姿勢」は、なんのため? ◆


研修をしていると(私もそうだが他社の講師も)、方程式で例えるケースをよく見る。
それは、わかりやすいのと覚えやすいのと、腹に落ちやすい(なるほど!と、納得しやすい)からだと感じている。

例えば、
●成果=気づき(意識)×行動(実践)
気づいて(意識していて)も、行動(実践)が伴わないと、成果が上がらない。
また、行動はしているが、意識(気づき)が低いと、やはり成果が上がらない。

●成果=努力×方向性
努力をしていても、方向性が間違っていると、成果が上がらない。
また、方向性は間違っていなくても、努力が足らなければ、やはり成果が上がらない。
などである。

先日の研修(大阪で開催。昨春ご入社した新入社員の方々の「1年後のフォローアップ研修」)にて、私自身としては新しい方程式を受講者に紹介した。
●成果=信頼関係(「+」or「−」)×行動 という方程式である。
この方程式で伝えたいポイント、最も大事なポイントは「信頼関係」がプラス(+)の状態か、マイナス(−)の状態かで、同じ行動をとっていても相手には真逆の印象として伝わってしまう、というものである。

簡単な例えで説明すると「尊敬している相手(=信頼関係がプラス)」から食事を誘われると、それは『嬉しい出来事』となり、「苦手な相手(=信頼関係がマイナス)」から食事に誘われると『気まずい出来事』となる、ということ。

セクハラもこれに近いと言えよう。(セクハラの定義に「大好きな人がしてくれると嬉しいことが、その人にされると嫌だと感じること」というものがある)

先日、とある出張先のビジネスホテルに宿泊した時のエピソードをご紹介したい。
ちなみに、このホテルを利用するのは今回で2回目であった。

1回目に利用した際に
・ビジネスホテルなのに大浴場がある(普段、単身赴任の東京ではユニットバスなので窮屈)
・各お部屋に空気清浄機(加湿機能付き)がある(研修講師として、体調や喉の調子の管理は非常に重要!)
・昨年10月にOPENしたばかり。新築なので清潔感がある
・朝食バイキングが無料
・スタッフから気持ちの良い元気な挨拶がある
など、宿泊費用に対するコスパがとても高くて、たくさんのメリットを感じたため、今回も迷わずこのホテルに宿泊を決めた。

そんな2回目利用時の翌朝のことであった。
バイキング形式の朝食会場に向かう。
私は毎日、朝食をしっかり摂る方で、その日の朝も朝食を楽しみにレストランに入った。
まずは大好きなサラダをたっぷりとお皿いっぱいに盛り付ける。
その日の気分が「和食」だったので、和食系のおかずを何品か選び、納豆やお漬物などもお盆に乗せた。
お味噌汁を入れ、ご飯をよそおうとした、その時である。

「すみませぇ〜ん! ご飯がなくなってしまい、現在、急いで炊いておりますぅ〜 出来上がりにあと15分ほどかかりますぅ〜 どうぞ、パンをご利用ください〜!」
と、女性スタッフが明るく、大きな声でアナウンスをされたのだ。

「ええー?! そりゃないよー。あとはご飯をよそうだけだったのに・・・」
「仕方ない。(プレーンな)パンにするか・・・」
と、15分を待てる時間のなかった私は諦めてパンを2個、お皿に乗せた。

そして、シンプルでプレーンに見えたそのパンをかじってみると、なんとアンパン(甘〜い!)であった。
味噌汁にアンパン・・・。
なかなかに「キツイ」組み合わせとなってしまい、さすがに辟易としてしまった。(納豆はまだ開封していなかったので、泣く泣く元に戻した)

かくて、私の期待は見事に裏切られ、その日は朝から悲しい気分のスタートとなった。
そんなブルーな気分で朝食会場を後にしようとする私の背中に向かって、スタッフから「ありがとうございました〜! いってらっしゃ〜い!」という能天気な声が飛んできた。

1回目の宿泊時には「なんて明るく爽やかなスタッフなんだろう!」、「良いスタッフ教育をされておられるなぁ」と感心したその溌剌とした挨拶が、その日の私にとってはその朗らかさがかえって腹立たしくなり、イラッとしてしまったのだ。

そのスタッフの挨拶自体は何も問題がなかった。
1回目も2回目も、まったく同じ行動を取っていた(その一貫性は素晴らしく、その点では頭の下がる思いであった)。
しかし、土台となる信頼関係(=今回の場合は、きらしてはいけない「ご飯」をきらしてしまっていた)が「+」か「−」のどちらかの状態で、同じ行動を取っていても受ける側の心象が、こんなにも大きく変わるものなのかと、実感した次第である。

少々大袈裟になってしまったが、わかりやすい例として自身の「器(人間性)の小ささ」を恥じながらも、ご紹介させていただく。
そして、このエピソードから自身の言動を振り返ってみた。
背筋に嫌な汗が浮かんだ。

株式会社フェイス総合研究所 上席執行役員 四宮 敬仁