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コンサルタントコラム

2016年6月8日

◆ やがての近道 ◆


その時は遠回りに思えるようなことでも、
「やらなきゃならないこと」
「やらせなきゃならないこと」
というものがある。

本来であれば、時間効率、生産性、ムダをなくす。が、常道であろう。
確かにすべて大事な考え方だと思うし、そういう取り組みなくして経営効率は上がっていかない。

そして、最近、お客様先でよく感じるのは、そういう面だけを追及されがちである、ということだ。
私が受け持つ経営幹部研修での受講者、つまり幹部・管理職の方たちの発言が「生産性」や「時間効率」、「ムダをなくす」、「失敗をさせない」という内容のものが多く、偏りを感じているからだ。

会社経営も、人生も、長くて奥の深いものである、と年々痛感する。
経営を良くするために「効率(のみ)」を追及していくことが、果たして本当に正しいかどうかというと、決して「正しい」とは言い切れないことが、往々にしてあるのが世の常であろう。

私は仕事で失敗することがよくある。
もちろん、お客様にご迷惑をお掛けするような致命的な失敗をすることはほとんどないが、それでもなんとか「未遂」に終わったけれど、背中に汗をかくようなケースは少なくない。

別にとびきり能力が低いわけでも、不真面目にやっているわけでも、もちろん「手抜き」でやっているわけでもないが、振り返ってみると本当によく失敗しているよな、と感じるのである。

そして、そのように反省・振り返りが出来るのは、実はフェイス総研という会社の環境・風土、経営者の考え方、懐の大きさのお陰かも知れない、と感謝する。

お客様・経営者の顔(表情)を想像(推察)し、目の前の部下が
「このままの進め方・取り組みでは、まず間違いなく失敗するだろうな」
と思うような場面で、上司としてはどのように対処することが最も有効的な選択肢なのだろうか。

その本人に「責任感」や「使命感」、担当者として「本気で私がこのお客様の担当をするんだ!」という強い意志を持たせるためには、こちら側が察知・理解している「正解」を知らせるのではなく、例えそれが稚拙な回答になったとしても、当事者(本人)自身に「考えさせること」が最も大事になってくる、と私は感じる。

苦い経験や失敗の機会を与えて、それを乗り越えていく力を養うことこそが、遠回りに見えても実は王道であり、最短距離を歩ませることになるのだと信ずる。

そこには不細工な自分自身と向き合わなければならないことも多々あるだろうし、小さなプライドが邪魔するケースも往々にして考えられる。
上司・部下がお互いに「我慢比べ」をしなければならない、なんとも言えない焦れた時間を共有しなければならないだろう。

「急がば回れ」という有名な諺があるが、人材育成の道もまた然り。促成栽培の中で、一見、順調に成長をしているように見えているかも知れないが、本当に長い目で見た時には「失敗ばかりしている劣等生(に見えた人材)」が、本物の経営幹部となっていくことは、多くの企業の中で少なくないだろう。

ぜひ、あなたの部下・後輩たち対しても、現時点では遠回りになるかも知れないけれど、やがての近道となるような機会を与えていただきたいと、私から強くお願いする次第です。

そして、私自身も自分の部下たちに「懐の深い」上司と感じてもらえるような接し方を心掛けたいと思う。
それが「恩送り」となり、フェイス総研の風土となっていくのだから。

株式会社フェイス総合研究所 上席執行役員 四宮 敬仁