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コンサルタントコラム

2016年7月6日

◆ 価値観の「押し売り」 ◆


今、振り返るとよくわかることなのだが、昔の自分は本当に恥ずかしいことを繰り返していたと思う。
「決め付け」や「押し売り」は、その持って行き方にも拠るところではあるが、基本的には誰もが嫌がることであろう。

そういう「老害」を知らず知らずのうちに世間や周囲に撒き散らしているような、破廉恥な人間になってしまっているのかと思うと、内心ゾッとする今日この頃である。
(これを読んで「ドキッ」とされた方、お互いに気をつけて参りましょうね)

フェイス総研に入り、学んだことが多くあるが、日々・年々その理解度が増してくる。

●価値観は人によってバラバラ(違う)。
●「相手のために」ではなく「相手の立場に立って」考える。=相手本位の思考。
●それぞれの価値観の違いを受け入れる。

私たちの考え方のベースとなる「Faith研修」において、テキストに書かれてある言葉を抜粋した。
改めて「わかっているつもり」であったのだと、感じる。

先日、一人の部下とぶつかった。
弊社主催のとある研修の集客のことで、あった。
研修の成果を高めるために、その研修には「ある一定の人数を集める」必要がある。

それぞれが毎月、一定の人数を確保するために「個人の目標(集客数)」を設定して追い掛けるのだが、その部下からは一向に集客が上がってこないのである。
もちろん、集客数確認のミーティングの場では、それぞれの進捗状況を確認しており、その際にはご提案先の会社名や参加予定人数、提案の理由やお客様との理解状況などを相互で確認し合う。

その部下からも「ご提案先企業名」「参加予定人数」「商談等の進捗状況」は報告され、確認していくのだが、結果的には様々な理由により
「今回の研修はお客様の方でご検討いただいた上で、残念ながら見送りとなりました」
という報告で幕を閉じる。

そういうやり取りが何度か繰り返されたある日、私はとうとうその態度に苛立ってしまい、
「これからの集客は担当制にする! 1・4・7・10の月は四宮、2・5・8・11の月は山下(仮名)、3・6・9・12の月は大西(仮名)が担当し、それぞれの集客責任と実施責任を負うことにする!」
と、宣言した。

もちろん、そこからはウソのように集客がドンドンうまく進んで行く・・はずは、ないのである。

そもそも、集客を「担当制にする」と言い出したのは、部下が結果を出せないことに業を煮やし、感情的になった私が咄嗟に下した判断であり、その背景には『部下の責任感が低い』⇒『真剣に集客に取り組んでいない』⇒『結果、集客ができない』という、私から見た【決め付けの課題解決策】というものが背景にあった。

担当制を敷くことで、部下の責任感を高め(責任感の低さを気づかせ)、そのことによって集客への取り組みの真剣さをより増してもらって、集客に結びつける・・・という、独りよがりな算段を勝手にしてしまっていたのである。

今、思えば山下や大西からすればその「担当制」という新ルールは、私の独善的な押し売りにしかなっていなかった。
【本当の課題】、【本質的な原因】について、山下と大西、そして上司の私を交えてトコトン話し合ったわけでも、なんでもなかったのである。

そんな状況下で、新ルールを振り翳したところで、山下と大西のモチベーションが上がることなどないわけだ。

かくして、私は担当制を取り下げ、部下の二人に謝った。
そして、謝った上で二人のそれぞれの「集客に対する課題」、「集客を難しくしている原因」を素直に聴かせてもらった。

その中には、私が想像もしていなかった失注のポイントが何点もあり、私は自身のマネジメント能力の低さに愕然とした。
部下が結果を出せなかったのは、決して部下の努力不足、行動不足などではなかった。
二人の部下の意見に謙虚に耳を傾けたことで、私の指示の出し方や集客の進め方、進めて行く上でのアドバイスに多くの問題があったことに、ようやく気づくことができた。

自身の価値観を妄信し、周りの価値観を軽視すると、とんでもない災いが、いつか自身に降りかかる。

今、自分としては精一杯 頑張っているのに「なかなか成果が出なく」て、悩んでおられる皆さん。
ぜひ、その言動の中で「あなたの価値観を他者に押し付けていないか、どうか?」
振り返ってみて、確認してみてはどうでしょうか?

株式会社フェイス総合研究所 上席執行役員 四宮 敬仁