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コンサルタントコラム

2016年9月21日

◆ 「チームの成功」に向けた「連結ピンの役割」 ◆


「ありがとうございます! イメージ通りですっきりしました!」

先日、私が支援をさせて頂いている企業の須賀次長(仮名)とのメールのやりとりは、須賀さんから上記メールが返ってきた形で終わった。

須賀次長は、企業変革を進める社内コア・メンバー(核となる集団)の中のひとり。
会社の目的達成のために、社内でリーダーシップの発揮を期待される人物だ。

須賀次長からは、ご相談のメールを頂くことが多い。
今回は、会社の経営幹部会で決めた内容を『どのように課長たちに伝えたら良いか』という相談だったので、須賀次長に伝えたそのポイントを皆様にもご参考になればと思い、ご紹介させていただくことにした。

そのポイントとは、
1)コンテキスト(背景)を伝える
2)翻訳して伝える
の2点である。

1)のコンテキストとは、『文脈』のこと。
もう少しわかりやすく言うと『背景』のことだ。
今回、須賀次長の会社で新しく決まった内容は、2日間かけて侃々諤々の議論がなされて決まった内容。
それを部下の方々に対して1時間程度でコンパクトに伝える際に『決まった内容(コンテンツ)』を伝えるだけでは、課長の皆さんには『?』がついてしまう。
『なぜ、そうなったのか』
『どういう議論がなされたのか』
『反対意見や、別の意見はどうだったのか』
など、議論の場にいなかった人たちに、あたかもそこにいたかのような気持ちになってもらうために『文脈』や『背景』を語ることは、とても重要だ。
『背景』を伝えることで『何故やる必要があるのか』が、部下に伝わる。

2)の翻訳とは、『経営側の要望』を『部下に動機付けること』である。
(ただし逆の場合もある。部下の不平や不満を、経営側に提案として変える場合である。)
例えば、社長が幹部会議で「売上げ必達だ!」と檄を飛ばしたことを受けて、幹部が課長に「売上げ必達だ!」と言うだけでは芸がないし、むしろマイナスになってしまうだろう。
社長は、幹部だからこそ通じる言い方で檄を飛ばしたのであって、一般社員に伝えるのであれば、当然、社長の『言い方』は変わるもの。
よって、ここでは部下の目線に立って
「後、もう●%までいけば達成が見えてきた。残り●%を達成するために、このような方針と計画で行きたいと思う。ここはあとひと踏ん張りして、是非、皆一緒にがんばって社内NO.1の記録を打ち立てよう!」
などと、社長の言葉を翻訳して伝えなければならない。
『会社にとって必要なこと=MUST』を『自分たちのやりたいこと=WILL』につなげる必要がある。
『翻訳』して伝えることで、『士気』が変わる。

多くの管理職の方々がこの変換をせずに(もしくは変換するのが仕事と思わずに)いることで、上司または部下から信頼を失っているケースが多い。
コミュニケーションの潤滑油たる連結ピン(※注)の基本的な機能として、自分自身も気をつけていかなければならないし、皆様のご参考になれば幸いである。
(※注:社会心理学者R.リッカートが提唱した概念。組織のリーダーが階層の真ん中に立って、ピンの役割を担い、しっかり上下を連結することの重要性を説いた)

株式会社フェイス総合研究所 上席執行役員 針生 英貴