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コンサルタントコラム

2016年9月28日

◆ クレームは「○○」の元(素) ◆


東証一部上場のあるメーカーの関西支社に、私の高校時代の先輩が部長としてお勤めである。
最近、お仕事を通してお会いする機会があり、今回のメルマガではその先輩から学んだこと(事例)をご紹介したい。

先輩の長原さん(仮名)は、喫煙者である。
周囲への配慮や健康への心配もあり、最近、電子タバコを利用され始めたのだそう。

私は常習で喫煙した経験がなく、タバコ事情にはあまり詳しくないのだが、長原さんはその電子タバコにすごく愛着を持っておられ、絶賛されるのである。
そして、その絶賛には『深い理由』があった。

長原さんが購入された電子タバコの価格は約1万円。
かなり高価なものであると思う。
だが、その電子タバコが、なんと4日ぐらいで突然、故障してしまったのだと言う。

当然、その状況に長原さんは不信感を抱き、クレームの連絡を入れた。
しかし、フリーダイヤルで問い合わせをした「お客様窓口」は、よくあるパターンではあるが、ずっと保留の音楽が流れて、なかなか担当オペレーターに電話が繋がらない。
10分近く待ったものの電話は一向に繋がる気配もなく、業を煮やした長原さんは、ネットでメーカーの電話番号を調べ代表電話に電話をする。
代表電話に出たオペレーターに状況を説明すると、そのオペレーターが速やかに該当部署の担当者に電話を繋げる。

長原さんは、その電話を受けた担当者の差配が見事だったと言う。
いわゆるありがちなお役所的な対応ではなく(「その件はお客様窓口が担当であり、こちらではなくフリーダイヤルに・・・」という他力本願な対応ではなく)、まずは低頭に平謝りをし、その上で「さぞやお困りであると感じます」ということで、代替品が速やかに送られてくる手筈となり、次の日の朝には代替品が届いたというのだ。

「電話をしたのが夕方の5時頃だったので、翌日の朝に(代替品が)届いたのには、ちょっと感動したんだよ」
と、長原さん。

タバコという嗜好品。喫煙者にとっては常習のものであり、その利用が制限されてしまうという状況は大きなストレスとなるであろう。
もちろん、その分野のプロであり、『ユーザー心理がどういうものであるのか?』を、その担当者は重々承知していたのであろう。

まずは長原さんの心理的ストレスに向き合い、しっかりと受け止め、お詫びをし、その上で最善の解決策を講じたわけである。
対応のスピーディーさが、感動を生んだのだ。

「その対応、すごいと思わない? 僕もメーカーに勤めているから、彼の姿勢を見習いたいし、自社の担当者にスグこの事例を共有したんだよ」

かくして、そこに一人の『電子タバコ愛好家』=FANが生まれたのであった。
きっと長原さんは、これからもこの手の話題では、その電子タバコを友人・知人に良い方に宣伝されるだろう。

しかし、もし、前述の担当者がその対応を間違えていたとしたら、長原さんは
「あの商品は良くない」
「僕はお勧めしない」と、口コミされたと思う。

クレームというマイナス・イメージを持ったユーザーを逆に『FAN』にしてしまった、実に見事な担当者の行動。
こういう実直かつスピーディーな行動こそが、今までも、そしてこれからもビジネスマンにとって最も重要なスタンスである。

私もこれから、もし喫煙する習慣が出来たとしたならば、きっとその電子タバコを利用するだとうと思う。

今回の事例から、自身の行動そして自身が率いるチーム(組織)も、この担当者と同じような対応が出来るよう、常に顧客視点を意識しながらこれからも精進し続けたい。

株式会社フェイス総合研究所 上席執行役員 四宮 敬仁