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コンサルタントコラム

2016年10月12日

◆ 「小さな気づき」が生み出す「大きな成果」 ◆


東北地区を中心に全国に約80店舗を展開する、大手飲食チェーン・Y社。
先日、そのY社の幹部社員であり人事部長の小川さん(仮名)が弊社主催の『パラゴン研修』を受講された。

パラゴン研修はこれで99回目を迎えた弊社の主力研修の一つであり、その受講者は延べ人数900人を超える。

360度サーベイを用いて『これまでの自身が取って来た行動』の行動特性(自身の『強み』・『弱み』と、その行動特性を生み出している価値観・世界観=弊社では『パラダイム』と呼ぶ)を振り返ると共に、『今後の自身の新しい行動(リーダーとしてふさわしい行動)』を自分自身で選択する。

小川部長は長くY社に勤めておられ、その創業期から成長期までを創業社長の杉本氏(仮名)と一緒に支えて来られた忠臣の一人である。

実はそのカリスマ経営者でもあった杉本社長が急逝されるという悲劇にY社は今夏、見舞われた。
残された幹部は6人の部長陣と10人のエリアマネージャー。
そして1,000名を超すアルバイト・パートを含めた従業員たち。
小川部長はその部長陣の中でNO.3のポジションにある。

小川部長は温厚な人当たりであるものの、根っこは非常にストイックな方で、常に幹部としての危機感と使命感に溢れておられる。
その考えの中には創業者の杉本イズムが脈々と受け継がれ、ご本人も常に『杉本正雄なら、こういう場面はどのような判断を下すか?』を常に念頭に置きながら、自身の言動をコントロールされてこられた。

また、小川部長ご自身が社内において『敏腕研修講師』として、これまでに何千人ものスタッフに研修をした経歴の持ち主であり、弊社のパラゴン研修においても平静な心理状況のまま、淡々とプログラムをこなされておられた。

そんな中で小川部長の強みは『ストイックさ』、そして弱みは『(杉本社長以外の)上司を認めることができていない』。
その根幹となるパラダイムとして
『(昔の創業期から成長期にかけて感じていたものと比べて、主に2人の上司に対して)物足りなさを感じている』
という考えがあったことが浮き彫りになった。

上司への不満。上司への失望感。
どこにでもあるような悩みであり、どの会社にも溢れている課題であると思う。
しかし、その理由・背景・環境はすべて人それぞれであり、その根本原因に辿り着かなければ、当事者である本人は、その感覚が正しいものであると誤認したまま自身の言動を(間違ったままで)選択してしまうのである。

杉本社長の急逝を引き金にして、またパラゴン研修において自己を内省する中、小川部長が今後ますますリーダーシップを発揮していく上で、ネックとなっているパラダイムが『上司への不信感』というものであることがクローズアップされた。

そのことを小川部長と私、そして同じ研修を受講している他社からの参加者たちが相互理解をした上で、見方(見ている方向性)を変えれば、小川部長は上司に対して必要以上の期待感があり(その裏返しの失望感があり)、それはある意味では『他者依存状態であるのでは?』ということに気づかれたのであった。

根本原因は上司への不満。
後から振り返ってみれば、なんのことはない『小さな』『どこにでもあるような』不満であった。
しかし、その小さな気づきは、当事者にとっては大きな変革をもたらせる。

かくして、小川部長のこれからのあるべき行動特性=今後のパラダイムは『認め合い・助け合う(新しい組織ビジョンをみんなで創り上げる)』となった。

自身と向き合い、内省をし、周囲の方々と言葉を交わす中で気づかれた小川部長。
杉本社長亡き後、ますますY社にとって『なくてはならない本当の経営幹部』に成長されるだろう。

そう思った。

株式会社フェイス総合研究所 上席執行役員 四宮 敬仁